毎秒急死
カンチェルスキス




 拍手だって聞こえる
 コンビニの窓ガラスが飛び散れば
 トイレから出たばかりの浮浪者が
 好青年の中学生に殺され
 電車を待つ人々は
 一人残らず
 ホームから飛び降りた
 下痢気味の空から登場した
 耳のそばで低空飛行する飛行機の音が
 聞こえている
 かいつまんで話すと
 焦げたソファの上で黒くなった
 チキンナゲットしか残ってない
 そいつに小便ひっかけて
 通り魔とピクニックして
 クリーニング屋の匂いについて語ったりする
 あいつらやこいつらだって同類だ
 話は合わないが
 この世から消え去るって知って
 いつも安堵する
 はじめからなかったって話
 って
 確かなことなんだろうが
 断言したりすれば
 時給800円の倉庫仕事へ行くための
 電車にも乗れなくなるんだろう



 


自由詩 毎秒急死 Copyright カンチェルスキス 2005-10-28 16:32:57
notebook Home 戻る