半端

獣のように叫んでいた

その時あれは狂気そのものだった


何故そうなったのかは覚えていないが
あれが何やらわめいていたのだけは覚えていた
そしてそのままベッドに倒れこんで
今ようやく目を覚ましたらしいということも

そして愕然とするのだった
あれは本当に俺だったのだろうか
何故あんなに怒り狂っていたのか

いやそもそも怒りのせいとは限らない
ただ単に何か壊れてしまっただけなのかもしれない

唯一つ分かっているのは
あそこにいたのは俺でありながら俺ではなく
何かしらの獣だったこと
そして今の俺は
嘘のように正常でなおかつ冷静だということ

何故元に戻ったのだろう
俺の脳内はどうなっているのだろう



獣になりきれず
それでいて人間としては異常だ
いっそのこと完全に

と思いながらも
そうなる恐怖に怯えるのだった


未詩・独白 半端 Copyright  2005-10-24 00:35:17
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