坂道と手
うめバア

長い長い坂道を
あなたと手をつないで歩く

冬が終わりかけて
ぼんやりとした太陽が
あたしたちの後ろをついて来る

あたしはもう、終わりだと思ったし
あなたはまだ、何も始まってないと言ったし

あなたがあなたかどうか
もう、うすぼんやりとしかわからなくなって

あたしがあたしだったのかどうかも
うろおぼえにしかわからなくなって

あたしは途方に暮れて
どっかに帰りたくなったけど
帰り道なんかとっくに忘れていた

だって、だんだんともう
何もかもがどうでもよくなるってもんよ

家? なにソレ、みたいなね

だからそれはもう、以前にもましてよっぽど
かけがえがないものになってしまいました

ただそれだけの
つないでる手の温度

まだしも生かされているかんじ
あなたがいなきゃ
とっくの昔に
陽炎か何かになっていた




自由詩 坂道と手 Copyright うめバア 2005-10-22 00:40:07
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