凍空
木立 悟
曇のなかで
ねじれる光
灰に 銀に
尽きることのない色に
池を隠す雪の上
蒼い熱が散ってゆくさま
その繰り返されるうたを聴く
けだものはけだもの
世界を狩る
複数の空に
映る自身を見る
錆びついた土
凍りかけた水
湿地を囲む赤茶色の輪が
枯れ原に触れては飛び去ってゆく
ただひとりのものが
ひとりを知るものだけがふわりと
金にかがやき 天に涙をさらし
降る雪の渦を見つめている
自由詩
凍空
Copyright
木立 悟
2005-10-18 17:56:09