まみれる
A道化






何処かの 夕暮れの垣根の
蔓の終わる姿の 夏が
無残に 口をきけなくなっても
目を逸らすだけでは どうせ足りない為
わたし 見つめたのです


西向きの 軽トラックの 
荷台の カバーの深緑の
下に 秘められたもの何であっても
見つめるだけでは どうせ足りない為
わたし 逸らしたのです


朝顔だったもののしぼみ方 真似て 
嗚呼 まず足を 次にお腹を
その場へ わたし 諦めて
まだ柔らかな体であることを確かめる為
自らを折りたたむことは 
二番目に 適っていました


そして 一番目を得られない この 手
それも 
その場へ 諦めて


家に上がることを 
許されないくらい
わたしの体にまみれ 乾きはてた土埃は
愚かなほど ひた向きな
誤魔化しの術 でした


2003.9.4.


未詩・独白 まみれる Copyright A道化 2005-10-16 20:04:53
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