*ブレンドひとつ*
かおる



秋桜が
風に
揺れている

僕は
探していました
ひっそりと
乗り越してしまった
最終電車の
裏寂れた駅舎の
ベンチで
夏を
追い越していく
秋の息吹を

空が
大地に
親しみにくるようで
薄紅の宇宙が
笑っている

黄金のモクセイ
銀のモクセイ
濃密な甘さで
世の中を
ケムに巻く

この時期
木星は
大盤振る舞いで
咲き誇り
昼と夜を
程よくブレンドして
秋は始まる


自由詩 *ブレンドひとつ* Copyright かおる 2005-10-13 17:39:09
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