恋時雨(こいしぐれ)
こしごえ
つぶやいた名が深く響く
空は
鈍色
(
にびいろ
)
をして時を孕む
いらっしゃい必然的本体
欲する無欲が降ってくる
浴びる黒髪
月光のもとの
涙する獣道で
懐かしく鋭い爪が轟く
記憶の
谺
(
こだま
)
が風を呼び
濡れた黒髪燃えて咲く
ぢりちりと胸焦がし
幾千幾億の落下に立ちすくむ
過去の影の分裂していく
青さに闇は震えて恋時雨
さぞかし響くことでしょう
移ろう時の雨あがり
雲間の虹に
微笑み一つ
未詩・独白
恋時雨(こいしぐれ)
Copyright
こしごえ
2005-10-12 16:43:01
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