cut
一代 歩

ひと山に切り離されし髪の毛の時の長さを横目で計る

これ以上ないってほどに慎重な手つきで髪を洗う君。その耳たぶに揺れるピアスが

リセットの仕方分からぬ不器用な私にできるひとつの手段

必要のなくなったこの髪留めをしんみりと見た潜在意識

どうしても振り切りたくて幻想に後ろ髪など引かれたくない

潔い女演じてみたかった些細なことと笑い飛ばして

髪を切る理由沈めて微笑んで表向きには気分転換

見慣れないわれが鏡に映る朝これから何か始まればいい



短歌 cut Copyright 一代 歩 2005-10-11 03:01:07
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