early autumn
本木はじめ

冷房のままで空き地に棄てられし軽トラックが消えた秋の日


足首に薔薇のいばらをくくりつけあなたはをどる秋と告げれば


ほとばしる滝の飛沫の花びらを浴びるあなたの背骨が欲しい


ラヴユーと告げるあなたがひとしきり薔薇の花束燃やした跡に


べろべろと舐めたくちびる噴きあがるふざけて過ぎた日々の血しぶき


病室にあなたが袖を通さずに遺した白い永遠がある


風に乗りぼくは空へと散ってゆく秋のさなかの無人自転車





短歌 early autumn Copyright 本木はじめ 2005-10-08 15:41:52
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