青い果実
こしごえ

わたしの血は
青く青く沸騰し
ゆらめきながら立ちのぼり
はてしなく透きとおった
青をふらせた

しなだれた渇望のからだは
ゆく先のしれないおもいと
めまいの予感を内包していた
いよいよ 秘密の空がささめいた

あら、雨がふってる。
そばえだわ。めずらし。

水菓子のふさを口に含み
遠い目をして 青を見た

青いいのち
むなしさの隙も無く凝縮し
わたしは 名を失った

果実のかおり かおった







個人サイト「As H System」掲載


自由詩 青い果実 Copyright こしごえ 2005-09-28 09:51:39
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