夏光花火打上
くれいじー・こすぎ

空が光った 雲に残った 君と作った 今は止まった

打ち上げられた君が夜空へ
百万人が見上げた光だ
思い出残せる花火が夜空へ
ぼくの隣に君がいない夏だ
打ち上げられた君が夜空へ
百万人が見上げた光だ
思い出残せる花火が夜空へ
ぼくの隣に君がいない夏だ

屋台に30分並んで
やっとベビーカステラ買えた
あんことカスタードを
バランスよく食べ分ける
ボッタクリ金額の缶ビールを飲みながら
持ってきたシートを広げる為
観衆の隙を窺いながら
絶妙なポジショニングでもないが
強引にシートを敷いて座り込む

すっかり
インスタント焼きそばの蒸し上がり方した
ドキドキワクワクしながら
カウントダウンが勝手にスタート
6万発のうちの2・3発くらいは
一生変わらない気持ちを称えてくれるはず

打ち上げられた君が夜空へ
百万人が見上げた光だ
思い出残せる花火が夜空へ
ぼくの隣に君がいない夏だ
打ち上げられた君が夜空へ
百万人が見上げた光だ
思い出残せる花火が夜空へ
ぼくの隣に君がいない夏だ

帰り道
そそくさと子供を引っ張る家族連れ
居酒屋でキメにかかるナンパ野郎
立ち止まってイジイジ確かめあうバカップル
その中の一組
ずっと喋りっぱなし
お互いぶつけあう

打ち上げられた君が夜空へ
百万人が見上げた光だ
思い出残せる花火が夜空へ
ぼくの隣に君がいない夏だ
打ち上げられた君が夜空へ
百万人が見上げた光だ
思い出残せる花火が夜空へ
ぼくの隣に君がいない夏だ

1時間上げっぱなしだった視線
終わって正面と横に向ける
誰か、いや君が、
いたんだ、いるんだ、いるはずだ
覆い尽くされる過ちの暗闇
光を浴びて出てきそうで恐い
頼むからそこで止まらないようにしておくれ
過去は未来の道標に過ぎぬ

空が光った 雲に残った 君と作った 今は止まった

打ち上げられた君が夜空へ
百万人が見上げた光だ
思い出残せる花火が夜空へ
ぼくの隣に君がいない夏だ
打ち上げられた君が夜空へ
百万人が見上げた光だ
思い出残せる花火が夜空へ
ぼくの隣に君がいない夏だ

玄関の前で煙草を吸う
蛍の光のほのかな明るさ
線香花火がボトっと落ちた
消えかけながら秋がやってくる
玄関の前で煙草を吸う
蛍の光のほのかな明るさ
線香花火がボトっと落ちた
消えかけながら秋がやってくる


自由詩 夏光花火打上 Copyright くれいじー・こすぎ 2005-09-27 00:11:40
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