低い風で雲を流せば
たりぽん(大理 奔)

風のかたちになりたいのです
なのに
縫いつけておいたはずの秋風が
かたちをうばいました


(ほたる  湯けむり  はぐれ雲)


うばわれたと思ったのは勘違いでした
かたちがないことが
風のすみかだったのです


(落ち葉  風花     花吹雪)


風の残すものは
いつも儚いものばかり
季節すらもすみかにして


(黄砂   風紋     渡り鳥)


風のかたちになりたいと願い
あんなにも激しく恋した夏すらも
鱗雲にかたちを移し

星宿を流していきました




自由詩 低い風で雲を流せば Copyright たりぽん(大理 奔) 2005-09-25 21:06:09
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