ぶらっくほーる
ブルース瀬戸内

じめんにあながあいています。

それをおとこのこがのぞいています。

ふかいふかいあなです。

おとこのこのあたまくらいのあなです。

みみをすますと

ひゅうううとおとがします。

おとこのこは

きのうじゅぎょうでならった、

ぶらっくほーるにちがいないとおもって

すなをつかんでそっとあなになげてみます。

すなはいんりょくによって

やみにきえていきました。

なんどなげてもけっかはいっしょです。

おとこのこは、

ぶらっくほーるはいまはやすんでいるだけで
すぐにじぶんもあっさりすいこまれるほどの
ちからをだすにちがいないとおもい、けいかいして

すこしきょりをおいて

あなのちかくにかぶっていたぼうしをおいて

じっとまつことにしました。

ぼうしがうごけば

ぶらっくほーるがうごきだしたとはんだんできます。

いっそかえったほうがいいのですが

はやるこうきしんがそれをさせません。

じっとさんじゅっぷんくらいまつと

あなからごおおおというおとがして

なにかがはじまりそうなけはいです。

するとあなのなかから

なにかがとびだしてきました。


おとこのこのおにいちゃんです。

ひつよういじょうにすなをかぶっています。

おにいちゃんはおとこのこをみつけると

きっ、とにらみました。

おとこのこは、ぶらっくほーる、とちからなくいって

ぼうしをとりにいきました。

おにいちゃんとは

これからしゅらばです。


自由詩 ぶらっくほーる Copyright ブルース瀬戸内 2005-09-23 10:44:30
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