メロンパンの侵略
ホソミショー

ある日 目を覚ますと 部屋がメロンパンで溢れ返っていた

「なんじゃこりゃー!メロンパンの逆襲も ついにここまできやがったか・・・」

部屋を見渡してみる

部屋いっぱいのメロンパン 
白 黄 緑 赤 青 黒 紫

色とりどりのメロンパンで覆われたおれの部屋
白 黄 緑 赤 青 黒 紫

「っていうか黒いメロンパンって何?こげたやつ?イカ墨?」
白 黄 緑 赤 青 黒 紫

「でもおれのへやかなりカラフルじゃん!! なんだかおしゃれかもっ」
なんていいながら白いメロンパンをかじるおれ・・・
部屋中に充満しているあまったるーい、においのせいで
おれの思考力は低下しているのだろう


とりあえず外に逃げ出そうと
メロンパンの海をかきわける かきわける かきわける
メロンパンの海を颯爽と泳ぐおれ
メロンパンのあまったるく、少しべとつく海を泳ぐおれ
「あっおれバタフライできてる!」

なんて余裕こいていたけど 「やっべー 外にでられねー」
メロンパンのせいでドアが開かない
「もしかしてこれ食べなきゃだめなのか?
  これ全部食べなきゃでられないのか?」
数百個のメロンパンに囲まれておれは固まった

呆然と立ち尽くしているおれに 
突然メロンパンの津波が覆いかぶさってきた

メロンパンの中に沈み
メロンパンの重みに耐えながら
おれは泣いてしまった 
生まれて初めてメロンパンに泣かされた
メロンパンに泣かされた人が今までいたのだろうか?
だがそんなことを考える余裕もなかった・・・
そしておれはメロンパンに押しつぶされて消えていった・・・。


自由詩 メロンパンの侵略 Copyright ホソミショー 2005-09-22 02:59:27
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