メロンパンの侵略
ホソミショー
ある日 目を覚ますと 部屋がメロンパンで溢れ返っていた
「なんじゃこりゃー!メロンパンの逆襲も ついにここまできやがったか・・・」
部屋を見渡してみる
部屋いっぱいのメロンパン
白 黄 緑 赤 青 黒 紫
色とりどりのメロンパンで覆われたおれの部屋
白 黄 緑 赤 青 黒 紫
「っていうか黒いメロンパンって何?こげたやつ?イカ墨?」
白 黄 緑 赤 青 黒 紫
「でもおれのへやかなりカラフルじゃん!! なんだかおしゃれかもっ」
なんていいながら白いメロンパンをかじるおれ・・・
部屋中に充満しているあまったるーい、においのせいで
おれの思考力は低下しているのだろう
とりあえず外に逃げ出そうと
メロンパンの海をかきわける かきわける かきわける
メロンパンの海を颯爽と泳ぐおれ
メロンパンのあまったるく、少しべとつく海を泳ぐおれ
「あっおれバタフライできてる!」
なんて余裕こいていたけど 「やっべー 外にでられねー」
メロンパンのせいでドアが開かない
「もしかしてこれ食べなきゃだめなのか?
これ全部食べなきゃでられないのか?」
数百個のメロンパンに囲まれておれは固まった
呆然と立ち尽くしているおれに
突然メロンパンの津波が覆いかぶさってきた
メロンパンの中に沈み
メロンパンの重みに耐えながら
おれは泣いてしまった
生まれて初めてメロンパンに泣かされた
メロンパンに泣かされた人が今までいたのだろうか?
だがそんなことを考える余裕もなかった・・・
そしておれはメロンパンに押しつぶされて消えていった・・・。