沢に野バラ
瓜田タカヤ

沢に野バラ

ぬるい風の吹く肌色の体温
夜の無自覚なアイラヴユーの爪痕

空想上の月の瞬きに立ちすくみ
幼児の髪は砂まみれで
月光は枯れ葉に朝露を宿す光点作る

沢に転落した車から0歳児が無事見つかる
27歳母親は死亡

津軽で保護された迷いインコは
自ら住所を話し飼い主判明

僕たちが手放した絶望の光は
ウイスキーボンボンとか
女の身体みたいなコカコーラボトルとかね
それからね
野バラを自動で野に放つ機械 
嬰児の妄想 

沢の

野バラ


自由詩 沢に野バラ Copyright 瓜田タカヤ 2005-09-21 04:27:15
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