まなかいおはじき しかくいおあそび
人間




しっかくうい部屋ー

:粘ぁって糸を引くぅ が
:負けぇじと弾く指ぃ が
:飛沫を上げて仕舞う仕舞う仕舞う仕舞う

これはもう色おはじき!



”冷淡にビリジヤン”、
の塗布、
叛けた頬に丁度、スポットライトみたく日射が、分光、拡散、んでキラキラ
若気れば案ずるに歪曲
んで、
溺愛する飼い野良猫が割れた欠伸かまして出くびれ牙が食い込む美南中、
尖り翳りに鬱騒、
睨み返すも情のうち
<生理痛ひどいの今日>

「ア々!例え離れ貴様」と罵る男()曰く、
うっかり零したミルクセーィキの流れが鳴り
すっかり溶け濁、
広がりえの白、
diの夢、
がらんどの幼児部屋
ろくすっぽ集中せずに抜け落ちた'la'が独りでに絶頂してタイルも濡れ、
溝々に水滴、
沢山、
沢山映るマナコ女のマナコ男のマナコ

それはまるでまるで色おはじき!


一切の推移を凝視する”冷淡にビリジヤン”のマナコ
マナコは焦げた飴玉
瞳孔は銃口
銃口から咲くパスティルバーミリオンのように気取って上気した頬、
補色的対峙に映えるは”冷淡にビリジヤン”、
女の口腔に妄りな舌を伸ばす()は爪先を溶鉱炉に突っ込んで、
穿り出した飴玉を手に取る、
とすれば、
<厭>とまた叛けた頬、
仕損じた黒筋煉り屋はドギマギ、
「強ちアナフィラキシェでもあるめえてめえ」だが、
強引に掴み出せばベトベトつく、
溶けてかテカテカの手を嘗めるのはテカテカの手に滑り込むあるいは或る妄り舌

それは既に色おはじき!


()の呟き、
「誰にむ言わぬで、」の問いに突慳貪は女の冷淡、冷ッ、淡ッ
男の揚げた手が弱弱しく揚がってやっとそれは、
嘘泣きが数回分の高揚
鬱騒とした鍾乳に瓜二つ、または三つの鉄仮面
その中で擬似迷子を演じてる妖艶な”冷淡にビリジヤン”を追い駆けて
()は尚も泣き言加えて届こうと努める

ええ! 忌み合いは無し、単なるお遊びなんだから

だってもう色おはじき!


散らかっている幼児部屋、
窓からは赤メッキされた白樺の根が差し込まれて、
その間を掻い潜って辺り中に彷徨っている、のは
海底を這う木製の蛞蝓、の記憶、みたいな、雰囲気

我慢ならん御年頃の男女、心身が触発、血の気が蜜!
でろでろり、良い具合の色おはじき弾いて指で


しっかくうい部屋ー

:粘ぁって糸を引くぅ が
:負けぇじと弾く指ぃ が
:飛沫を上げて仕舞う仕舞う仕舞う仕舞う


乱痴気狂みの()が撒き散らしたのはサッカリン
それに群らがる油っぽい蟻に
それを食い荒らす二次元の鵺に
それらを横目に冷笑するのは”冷淡にビリジヤン”の冷淡で女!
女の酔狂
男の覚醒、
独りで拗ねて濁った気違水浴びる、
真っ正気になる
真っ正気になる
で、真っ正気になる
でも素っ頓狂になる
でもって瞬時に屍蝋


  う
     ぅ
        ー
            っ
                く
                     り
の硬化、
で、
色彩が漏れ尽きると、
輪郭だけの、
もう、
動かな、
くなっ、
てしまっ、
た二人、
と猫

例えば無神経で図太くあるとすればコノ世は極楽、
そう嘯いて盲目的に発熱し続ける限り()は、
溶けかけの蛞蝓を吐き出して、吐き出せば心理に抵触しちゃって
埋め尽くしたらば蛞蝓溜まり
それでもまだまだ図太くあれば
()は身を伏して蛞蝓びたし、<そんなんで贖罪か?>


:粘ぁって糸を引くぅ が
:負けぇじと弾く指ぃ が
:飛沫を上げて仕舞う仕舞う仕舞う仕舞う

だって単なる単なるお遊びだから色おはじき!


色おはじきの鬱屈に分光が零れて突慳貪
油っぽい蟻に引火して
()が火の上
で、
その飛ぶ火の粉、
で、
初めての煙草(セヴンスター)ふかして見せる噎せる”冷淡にビリジヤン”な女
初めての大人になる

そうなればもう
どっちが勝ったとか負けたとかじゃなく
なにもかも突慳貪になって仕舞う仕舞う仕舞う仕舞う



自由詩 まなかいおはじき しかくいおあそび Copyright 人間 2005-09-19 01:26:40
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