ライ
ピッピ


嘘なんてポッキーに塗るチョコ味のクランチくらい美味しく食べる


飢えすぎて死にそうになり貯めといた嘘を食べたらその場で死んだ


笑ってよ、嘘だと分かる二秒前、嘘だと分かることに笑って


嘘せかい けれどもそこは今ぼくがいる世界ともとても似ている


一日じゃ治んないから発情期、全部嘘だよ虹色ジュース


友達と単なる会話 口からは嘘つきたがる白い言葉ら


嘘、矛盾、虚言、妄想、法律で許されている武器の名称


国語科のテストについた△は新米教室の不器用な嘘


もう夏も終わる やりたいことだけで日記を埋めるためにつく嘘


妹は嘘が上手くて からっぽな自分じゃないと喜んでいる


「嘘つくの上手くなったね、物書きになったからかな?」「君はそうかもね」


信じれるものの少なくなる時代 めんどくさいからみんな嘘つき


「風邪ひいて寝てるんだよ」と携帯の電源を切る夜につく嘘


嘘彼氏連れてTDLに行くからっぽ世界は案外近い


東京に連れていくなりワンワンと鳴く嘘は空気で分かるんだろう


月も嘘 太陽も嘘 この地球は孤独を分けるために孤独だ


悪いとは思っていない「『本当に』(なんて嘘で騙して)ゴメン」


幸せに死ぬための嘘 棺桶にいっぱいつめてさよならをする


ブルーベリーチーズケーキに潜む嘘もそのまま食べて「美味しいですね!」


嘘くらい知ってるよ、もう二歳だぜ、本当なんてどこにもないぜ、


新々々社会三大神器になる愛想笑いと嘘とバーボン


わたしたち嘘が嘘だと分からない嘘を集めて暮らす毎日


バス停は光ばかりで僕たちは嘘と書かれたバスに乗り込む


日常に疲れた人間水をやる仙人掌がこっそり嘘をつく


そうだよね、存在意義が嘘だよね、バイブルなんて自分でつくれ


「脂肪しか入ってないから何しても平気」笑顔でつける嘘かよ


プリッツはポッキーの嘘 かわいそうな小鳥が食べる枝に似ている


生クリーム20リットル入りケーキ嘘で燃やしたプレ・バースデイ


少年のテーマ(作曲:ピッピ)には途中で嘘のソロがあります


コンビニで買える嘘でもあの娘なら泣かせられると知ってしまった


東京の高層ビルの屋上で智恵子の嘘を見上げて笑う




短歌 ライ Copyright ピッピ 2005-09-18 19:56:14
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