no-title
士狼(銀)

他人を批判して
自己を正当化することは
とても容易い

ところが
詩を描き始め
自分を少し管理できるようになると
正当化どころか憂鬱になる
他人を批判することは
とても難解だ

僕には僕の世界が在り
彼には彼の論理が点在していて
彼女には彼女の夢が響く

今更気付くなんて
どれだけ愚かなんだろうね
貴女に囁くと
『まだ大丈夫よ』

予想通りの甘い紡ぎ
それから
唐突なキスを与えて
貴女は闇に溶け込むように
微笑う

たとえ僕が気付いたところで
世界は混沌と殺伐に乾燥している
皆さ
詩を描いてみてよ
強制するつもりはないから

僕の生きる世界は窮屈で
呼吸困難なんて
日常的だよ
心の生きる世界は楽園で
それでも管理が難しいんだよ

皆さ
詩を描いてみてよ

それが駄目なら
誰か
呼吸の定義と方法を変えてください


自由詩 no-title Copyright 士狼(銀) 2005-09-17 18:28:42
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