Snake Eyes
恋月 ぴの
愛の言葉は砂漠に棲む蛇の肌触り
ガラス片の透き通る
艶やかさを床に滑らせては
汀から細波へ
細波から白ウサギの飛び交う荒波に
感情の姿を次第に変えてゆく。
与えあう愛の軋み。
軋みの素肌を撫でながら
愛おしみながら
囁く言葉は蛇の舌先。
あなたはこの瞬間を待っていた。
這い回る蛇の舌先に秘密の扉を開く。
あなたは確かに感じている。
桜貝を思わせる肉襞は緩やかに潤みはじめ
迎える力の強さに頬は赤く染まり
震えては窓辺で書簡を読む淑女のように
姦通の悦びに身を投げ出すのだろう。
愛の言葉はあなたを誘い
狂おしい波頭の動きに断末魔の悲鳴をあげる。
溢れ出る悦びの泥濘に足を取られては跪き
蛇頭の眼差しに暴かれた剥き出しの残像。
それは、あなた