夜呆
環
脳髄の端っこの方で
姿の見えない白糸が透くんでいる
欠落の檻の中で
手合の区別もつかぬ阿呆が空くんでいる
毎々
世界の舞
札束の枚
歴戦の埋
生活の米
不条理が可愛く
致し方なく
生還に程遠く
時間に謙虚で
連鎖に不利で
帰先に刹那で
大蛇は
住み慣れた暗樹の巣穴で舌を出す
それはそれは
誰かとよく似た
いや誰かによく似た
壁画に幇助を求める
科学者のように
自由詩
夜呆
Copyright
環
2005-09-14 01:00:56
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