振り返るとき
tonpekep
風が吹いておりました
風が吹いている日に飲む野菜ジュースは哲学の香りがするのです
そんな日は詩を書きたくはないのです
空があまりに無知なので
わたしの青春としての位置づけは
もう随分と前に光の中に埋葬されましたけど
残像はときどきぼんやり道を歩いていたりするのです
そんなときわたしははっとして声をかけたりするのです
「きみはいつの青春ですか」
「いえ、わたしは随分と古い青春です」
「それではわたしはきみを失ってもいいわけですね」
「いえ、滅相もありません!わたしは随分と楽しかったりするのですよ!」
声をかけると振り返る雲の群
青春には順序があって
それは正しい配列に並んでいるのです
遠くで光ったりするそれは青春だったりするのです
何処かにゆっくりとした時間の落とし穴
ときどきそこに落ちたりする
それが青春
叫びたくなる青春だったりするのは間違いではありません