この国で生きているのに
逢坂桜


今日は昨日の続き。

選挙は終わった。
自民党の圧勝だ。
ここ何年かで、一番の圧勝ではないか?
信じられないくらい、塗りつぶされた。

今日一日を過ごした。
いろんな人の声を聴けた。
まわりの人と話をした。
昼に用事があったから郵便局に行った。

どうしてだろう。
私も含めて、今日、私が見てきた人も、
だれも喜んでない。

ものすごくたくさんの人が、託した結果だ。
私に聴こえないだけで、きっと、声はあるんだろう。

けれど、どうして、
よかったね、と笑う人がいないんだろう。

この国で生きているのに。
とてつもない民意を見たはずなのに。
不安は大きくなるばかり?
そんな馬鹿な。
信じた人がいる。
いつか、私も、信じた人を、信じられる人に、なれるだろうか。
わからない。
いまはわからない。

きっと、いまはまだ、わからないままでいい。

昨日の選挙を忘れずに、
今日の曖昧な不安を忘れない。



2005.9.12 今日の終わりに






散文(批評随筆小説等) この国で生きているのに Copyright 逢坂桜 2005-09-12 21:23:40
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