淡々と振り返ってみるよ。
嘉村奈緒

散文でもいいのよね、ここは。
日記の冒頭文を抜粋して羅列して落ち込もうという試み。
淡々といくよ。ダメだしは受け付けないよ。


1207

 最近のビックリ☆な出来事といえば、歯がグラグラしてるので舌で「ちょ」と押したらその歯が「モリ」っと飛び出たことですかね。歯っつっても、前歯の隙間んとこのやつなんですがね。歯医者ですよね、これってば歯医者ですよね。でも歯医者はやだなあ。痛いんだよなあ。「子どもでもないんだから」だなんて、子どものまんまでいいから歯医者、行きたく、ない。ぼべ。大丈夫。「モリ」っとしちゃったけど、指で丁寧に戻しておいたし。万事オッケー。ノープロブレム。今日も無事に生きている。俺最強。俺神。チリョウキライ。


1121

 履歴書とかに稀にある「自分の長所・短所を書きなさい」について考えてみた。思うに人は短所は述べやすいが、長所は挙げにくいのではないかと思う。むしろ履歴書に短所を書けというのはどういうことか。「あなたの正直さ・人間臭さを垣間見たいのです」とかそういうことなのだろうか。短所を書くというのは不利に繋がったりはしないのだろうか。例えば「好きな人と良いことがあった日に、メモ帳で箇条書きにしたためる癖」とか正直に書いても評価されないんじゃないだろうか。ええ、おい。どうなんだ。何が社会だ!何が人間性だ!ぺっぺっぺっ!


0924

 血液型を知りません。こりゃもう、うっかり車などに轢かれるわけにはいかないので、常日頃から五感と未知な力を秘めてる第六感を駆使して交通事故に遭わないように生きています。(要するに家に篭っています)


0909

 ごきげんよう。アンジェリーナ嘉村子です。今日は小指を立てながらティーをいただきたい気分なの。名前もそんな塩梅に変更してみました。どうでもいいけど、優雅な心持のあまり、今日は一日お家でお休みしてました。ニラ玉チャーハン食いながら。優雅に。優雅に薫るニラ。アンジェリーナ・ニラ・嘉村子。


0818

 ショッキングな記事を見た。あたいの細胞、ひとつひとつを形成していってくれた愛すべきカルピスは、米国では違う名で呼ばれているらしい。なぜなら米では「カルピス」が「COW(牛)PISS(尿)」に聞こえてしまうからだと。それはたまらん。悲しいやね。カルピスって何でひどい言われの対象になっちゃうのかね。とりあえず米では「カルピコ」といわれているらしい。カルピコて。繰り返していると無理やり笑えてくる。むしろ泣けてくる。


0806

 そーいえば昔、あたいがまだ天使のような愛くるしさを振りまきながら無駄に生きていた頃、パパンが酔いながら「俺がテポドンを倒す」「金正日を暗殺する」と仰っていました。家族は総出で彼を励まし、ぜひ自分達とジャポンのために心置きなく散ってくれるがいいよ!と爽やかに言ったのですが、なんでだか未だに家にいます。一体いつ自分達(とジャポン)のために散っていってくれるんだろう。


0724

 エブリバディー!ノーバディー!センキューセンキュー!世界を股にかけて大活躍な嘉村子です(妄想に国境はないからね)今日マヨネーズを買って帰ったらすでに買い置きがありました。ダブルマヨです。意味ない。至極意味ない。マヨラーでもないのにどうするんだ、これ。あれか、キュピーの陰謀に乗せられたのか。そういうことか。俺が愚かだっていいたいのか。くそ、あの裸ん坊天使め!(マヨ片手に憤慨)


0723

 職場では名札を首から下げて仕事するのです。あたいの苗字は「鈴木」ではないんです。が。職場の環境上、苗字を変更するように、とのことで。あたいはママンの旧姓でも使おうかなあ、とモヨモヨと考えていたらお局さんのような人に「はい」と言ってネームプレートを手渡された時にはすでにそこに「鈴木」と印字されていました。いや、確かに「苗字何にしましょーかねー!」とか話していたけど。予告なく颯爽と手渡されても。あたいに意見を言わせてもらう余地はなかったのかと。そんなわけで半ば見えざる権威によって「鈴木」になりました。世の仕組みってほろ苦いんですね、おっかさん。これが仕事ってやつなんですね、おっかさん。


0717

 にんにくすった手で顔いじってたら素敵な香が漂うようになりました。肌質改善、てやつですかね。毛穴から香が出るように。それもにんにく臭。バンパイアはもちろん、世の男子どもも避けて通るしかないような肌質改善。俺が歩くと香るにんにく臭、みたいな。あらやだ、にんにくの売り文句にぴったりじゃない、これってば。「この夏、刺激的な香が大ブレイク!アフター5に、かおる、にんにく臭」みたいなね。素敵じゃないですか。オファーがきちゃうかもしれないよね。「ぜひ我が社のにんにく売上向上のためにっ」「嘉村さんは我が社が先に見つけたんだぞ!」「その芳しい毛穴にぞっこんです!」とか何とか(収集がつかない)




--振り返ってみた。結果、ああ、しょっぱい一年だったな、と。でもそんなしょっぱい自分が好きなので、来年もこのままな予感。一人称が無茶苦茶なのは気分によって変わるので気にしちゃいけない。年中こんなこと考えているのかとかそういう可哀想な目で見てはいけない。


散文(批評随筆小説等) 淡々と振り返ってみるよ。 Copyright 嘉村奈緒 2003-12-30 03:31:04
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