ビューティフル
A道化





しっとり、これは
濡れるために、素足


群れる草の土に冷たく踏み入り
行き場を失くしたことのない、
何処にも行かない、素足でした、濡れるために


こっそり、あれは
乾くために、蝙蝠


素足の、生まれたての轍
その黒い水面が見上げる、
聞こえない、蝙蝠でした、乾くために


しっとりと、こっそりと
いつからか、いつまでか


飛べるものと飛べないものの辻褄を
ああ今、死ぬほど美しく合わせる
そのために、私たちでした



2005.9.11.


自由詩 ビューティフル Copyright A道化 2005-09-12 01:05:35
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