忘却曲線
こしごえ
乳白色の
血を流す
草の名を忘れてしまい
野原にからだをうずめた
満天の星の鎮魂歌を
あすの朝の火に焼べて
壊れた時計の可燃率とともに眠る
忘却は
時を経るごとにやせて
ひどくやせて輪郭から
燃えながら崩れてゆき
忘れたという核を残し
一雫の種を宿すけれど
忘れたことさえ忘れて
不在する体温
狂った魂は
時間に曲線を描きながら
青く青くひどく澄んで
空へとおちていく
野原にひとりぼっち
乳白色の
血を流す
草の名を思い出すまで
終りは来ない
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