「サンタマリア」

僕は神様の名前を
あなたしか知らないけれど
僕は神様の存在を
信じたことはありませんでした

「サンタマリア」

僕にも名前があるけれど
あなたは知っているでしょうか
僕の名前は僕の存在を
証明するほどでもないことを

「サンタマリア」

あなたが女神だということを
何かの本で読みました
あなたが女神でないとしても
きれいな名前だと思いました

「サンタマリア」

いつか人は人の汚れにまみれ
いつか人は人にもどるために
罪という名を背中に刻み
あなたのもとにかえると聞きました

「サンタマリア」
「・・・・・・」

僕は神様の名前を
あなたしか知らないけれど
僕は神様の存在を
信じたこともないのだけれど

「サンタマリア」

あなたのその
きれいな名前を口ずさむとき
僕は自分の存在を
確かに感じることができます

「サンタマリア」

いつか僕が人でなくなり
いつか僕が人になろうと
罪という名に置き換えられた
その背中を隠すように祈るとき

「サンタマリア」

どうかあなたを呼ぶために

「サンタマリア」

その名前だけは忘れませんように