Strain at the leash
三架月 眞名子

天国に注ぐ 暖かい波に
僕はただ、
戯れてじゃれてみたかっただけなんだ
僕は持っていない
ただ、それだけ

月夜に 高く 清く
響く君の歌声は
真昼の空でも変わらずに・・・?

太陽の光は 眩しすぎて
僕の目は暗んでしまうのに
なぜこれほどまでに焦がれるのだろう?
すべてと引き換えに得られるものなんて 何もないのに・・・


悲運の渦に 君をまきこんだ
僕の罪は
君が奪い去ってしまった
緋色の泪を として・・・

月夜に 淡く 優しく
浮かぶ君の横顔を
真昼の空では探せずに・・・



空虚からっぽの僕に降り注ぐのは
君の歌声 −あの祈りの歌ー



この名も無き物語は
儚くて 刹那くて  僕の
心は永遠に囚われるだろう
君と引き換えに得られたものなんて 何もなかった・・・



何もなかったよ・・・


自由詩 Strain at the leash Copyright 三架月 眞名子 2005-09-05 00:31:05
notebook Home 戻る