駅:難波
たりぽん(大理 奔)

中央改札を出たら
階段の手前にいくつかの柱がみえる
その陰にぼんやりと
いつも誰かが待っている


少女だったり、サラリーマンだったり
学生服だったり、主婦だったり
日替わりで、何かを待っている


何を待っているのかを
だれも訊ねたりはしない


改札は
海辺の風のように
朝夕でその風向きを変える


あの時は凪だったのだろうか
不安と期待のような
メトロノームのウエイトを下げて
僕もここで待ったことがある


今では思い出せない
何かをずっと
待ち続けた事があるのだ





自由詩 駅:難波 Copyright たりぽん(大理 奔) 2005-09-03 09:51:34
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