Yシャツと君と
ベンジャミン

その小さな身体には大きすぎる
僕の白いYシャツを着た君を見て


窓に浮かぶ思い出
ある日ならんで歩いた海岸で
せまってくる白線をとびこえては
水しぶきをあげてはしゃいでいた


夏の窓辺
長すぎる袖をまくりながら
入り込んでくる風を白くふくらませて
君は


空を指さして
海だという


それはきっと小さなお願いで
忙しすぎる僕への
ちょっとした不満なのだろうけど


海へ行こうか


そう僕がきりだす前に
君も
君をくるんでいる
その白いYシャツも


もううっすらと
青く透けそうに見えてしまう
白線のむこうに広がっていた


あの日の海のように
    

    


自由詩 Yシャツと君と Copyright ベンジャミン 2005-09-02 22:26:49
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