電気椅子
恋月 ぴの

僕は感じる君の気配を
弓なりの曲線は
甘い咳払いひとつ


それは涎のようでもあり
差し出した僕の人差指に乗り
鳥かごから出ようとする可愛い小鳥
胸一杯の期待感に
ひ弱な翼を震わせているね


理性はジョーゼット越しに
胸式呼吸を繰り返す


僕には判っているよ
君は妄想を捩りながら
熱いうねりに耐えている


何を我慢しているのかな
解き放ちなよ
今の君は鳥かごの外
ゼンマイ仕掛けの小鳥みたいに
風切り羽をバタバタさせて
飛び立ってごらん


そう、電気の震えに弓なりの曲線が
折れんばかりにしなっているよ


自由詩 電気椅子 Copyright 恋月 ぴの 2005-09-02 21:51:26
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