燃えるうさぎ
相馬四弦

火の粉は

陽の寝そべる雪原に降りそそぎ

炎に弾ける冬毛の音が

なにもない空を跳ねてゆく

うさぎは

しおれた耳の先を焦がす

遠い朝に添えられた指先を

食んでいた


自由詩 燃えるうさぎ Copyright 相馬四弦 2005-09-02 19:03:33
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