ガラス戸
とうどうせいら

ココアを買いに行った。
振り返ったら
テーブルに 彼が座ってた。
ぼーっとどこかを見て
考え事してるひとりの彼は
普通の男の人だった。
たまたま休みだから
外に食べに寄っただけの
お客さんの顔だった。
あたしがいてもいなくても
お金を払えば
いつでもこの店から出て行ける。
鞄を持って
そのガラス戸を押したら。

頼まれもしないのに
彼の分のホットドックを買って
「おーい」と言って
急いで戻った。



そしたら笑った。


自由詩 ガラス戸 Copyright とうどうせいら 2005-09-01 18:38:52
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