紅葉ひとひら
恋月 ぴの

オモチャ箱には
彩り鮮やかなブロック
そのひとつひとつを
あちこちから眺めては
思うがままに積み上げる


時にはいびつな格好に積み上げては
夏の終わりを告げる土用波に
あっさり崩されてしまう


波打ち際にぷかりと浮ぶ
ブロック達は
まるで夜店の金魚掬い
生きのいい奴はすばしっこいから
素早くポイで掬いあげないと


賑やかな彩りに
色づき始める里山の頂き
紅葉ひとひらに
内緒の願いをしたためたなら
一番てっぺんのブロックに添えてみる


自由詩 紅葉ひとひら Copyright 恋月 ぴの 2005-09-01 07:34:10
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