こころみ 3
るか
潮風にのって白髪が
飛散するのを
じっと
唇をかみ締めて
耐えていた、
(藤壺を舐める舌の痺れ)
ドラム缶のなかで
湿った制服はちぢみ
青空と一緒に、
遠のいていくのは、砕石の時代
ネガをストーブにくべると
背中のうえで
猶
はぜている音がする
地が 酩酊していた
池袋東口が
かすれた雑踏
をのせて
鋭い斜視を
滑り落ちていくと
訣別の唾のように、君は
真空へ
吐瀉する
海の 迸り、
ガード下で
君は念仏に
両耳を抑え
後悔を 絶叫したが
猶
白髪が降りしきるから
泥濘を、もだえ
希望とは
何だったろう、
それが
ありえないのならば
裸足を怖れては
渡れない線の
そちらで