蘇生三昧
A道化






蝋燭の炎が
自らのロウで噤むやいなや
細く白い一筋の上昇気流に紛れている、あなたの
残り香の腐乱による、鈍い苦痛を
わたしは貪ります


空耳に耽る耳には、耳の
幻に注がれる眼には、眼の
それぞれにとってのあなたの腐乱場面を
わたしに積もらせる手段、として
ただ立ち眩みを覚える為だけにわたしは
時折、急激に立ち上がり
ただ立ち眩みを感じるためだけにわたしは
時折、二本の足で立ち尽くし
わたしは貪り


貪り、感覚するのです
残り香の腐乱による、鈍い苦痛、そこからの
細く白い一筋の下降気流から押し出され真に迫るあなた
そうして自らのロウで噤んだ筈の蝋燭の炎が今また
ほうら、燃え始めます



2005.8.29.


自由詩 蘇生三昧 Copyright A道化 2005-08-29 23:16:50
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