なずさふ、なつことのは
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なずさふなつことのはさらさらと
なづさふなつことのはさらさらと

流れることのは 指をすりぬけてゆく
つま先から伝わる水温
ひんやりと冷たい感触
ひきさかれてゆく
目を背けて すくいとる
それでも 万有引力には勝てず 落下

したたり落ちた雫 君の掌に
いくえにも重なった雨音 蝉時雨をしのばせて
ゆうだちのにおい 握りしめたビー玉の記憶
いなびかり ぴかりと光っては消える忘却の繰り返し
共鳴するざわめき 広がる波紋
それでも すべてをとめられず 落下

霧もやにヘッドライトの光 乱反射
3メートル先も見えず 腕を突き刺す
ことのは達で創り上げた幻想の世界
ここから きっと どこかへ ゆけるから
雲をまといながら紡ぐまゆの羽衣
天女ではなく かぐや姫でもない
現代少女の織り出す夢のひとこま

めをつむって みみをふさいで
なにも見えない世界 なにも聞こえない世界
それでも 見えているでしょ きこえているでしょ
闇の中の一点の光 光の中の一点の闇
君がほしい言葉の 形と音が

降ってくるドロップス
キャンディレイン
咲き誇るのは、夜の花
打ち上げられた光達に
極彩色の世界が飲み込まれてゆく
こんなにも 君の横顔が美しいだなんて
知らなかったよ
降ってくるドロップス
キャンディレイン
咲き誇るのは、夜の花

いつも二人で手を繋いでいた記憶は 極上の甘い幸せ
触れていたい 傍にいたい 君の隣にいたい
なんて儚さは いつも夢から覚めた現実にしかなくて
じっとりとしめった空気だけが 
いつも途切れてはまた繰り返す
極上のシンフォニーを望みながら
ゆるゆるゆと二人を狂わせてゆくように
たゆたっているから

水面をぴちゃりと蹴飛ばして
飛び散ることのはを スローモーションで感じていた
真夜中の匂いに包まれた
アタシの愛し方で どこまで 愛せるのだろう
もう一度水面を強く蹴る
飛び散ることのはに 色とりどりの記憶をしたたらせて
極彩色の世界を覗いていた
朝焼けの空気に つつまれていた


自由詩 なずさふ、なつことのは Copyright e R i 2005-08-28 23:40:54
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