止まれ、それから、歩き出そう
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   止まれ、それから、歩き出そう


僕たちは、生き急ぎ過ぎた。
だから、僕たちに、「死」はいつも身近に囁き続けた。
甘く、優しく、
いつも、いつでも。
それらしく、
それらしく、
確かに、その通りだ、生きてはいられない。
   こんな、嘘、
   こんな、偽り、
   こんな、まやかし、
   こんな、無知。
   こんなものばかりに囲まれて、
   ・・・私は、生きてはいられない。

私は生きていられない。
呼吸の一つ、身動きの一つが、苦痛になる。
否、苦痛になるのではない、全てが苦痛から始まったとしか思えない。
失望はない、全ては絶望から始まっていた。
絶望。
「死」はいつも身近に、甘く優しく囁き続ける。

僕たちは、生き急ぎ過ぎた。
止まれ。
止まれ、生き急ぐ必要は無い。
(人は一人では生まれない。人は一人では生きていけない)
今日、僕は、あなたに出会った。
いや、あなたが僕に出会った?。
いや、それはどちらでもいい。
どちらでもいい、僕はあなたが大好きで、あなたも僕を嫌ってはいない。
それで十分だ。

   「今日」と言ったけど、実は知り合ったのは、ずいぶん昔。
   今日、僕は、あなたが、いま、幸せな事を知った。

止まれ。
止まれ、生き急ぐ必要は無い。
おい、この知らせはどうだい。
   おいおい、どうだい、奴は奴で幸せでいる。
   この幸せな気分が、あいつからやってくる。
   あっは嬉しくて、嬉しくて、飛び跳ねたい気分だよ。

「死」は、いつも身近にいた、行き急ぐとね。
誰にでも。
しかし、それはまやかしだ。
ただ、生き急ぐうえで、死にたかっただけだ。
しかし、「死」という存在はない。
無い。
あるのは、私とあなた。
生きているものだけが、幸せと苦悩を、受容する。
私は、受容する。
喜びも悲しみも。

あなたも。
是非、あなたも。
一緒に、喜びも悲しみも。
人でいる事は幸せだ。
あたなと、共有できること、一緒に生きられること。
(そんな可能性が、ああ、そうだ、可能性を望むこと、今までの私になかった事
生きる事は、生き続けることは)



補記

奥主さん、大村さん、ご結婚おめでとう。
10年ぶりの詩になるけど、お二人に。(詩の題材は奥主さんになる)
あまりに詩を書くのが、久しぶり過ぎて形になるか心配ではあったけど。
(評価はそれぞれに)
気持ちだけ伝われば嬉しいです。

さかなさんから近況を聞いてとても嬉しかったです。




自由詩 止まれ、それから、歩き出そう Copyright newR 2005-08-27 22:40:06
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