夢掬い
なつ

お祭りを終えた夜のように
まだ熱い頬と首すじ
余計にはじけた夢を見ました

はじけたことだけ覚えてる
色とにおいはこぼれても
はっきりと鼓動が踊ってる

もったいなくて、ね
夢を思いだそうとしたら
まるで金魚掬いなのです

ふ、と張られた薄い紙の手ごたえ
記憶に通る一本のほそいほそい糸

幻は指先をすりぬけて
あまり脈絡もなく跳ねたり
水しぶきが目に入ったり

屋台にしゃがみこんだまま
ただただ時間が経過してゆく

あふれる夜の水底には
じっとうずくまっている
大切な、ひと

水面を見つめすぎると
わたしの方が 夢へと 
引き込まれてしまいそうでした。


自由詩 夢掬い Copyright なつ 2005-08-27 20:38:31
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