夢掬い
なつ
お祭りを終えた夜のように
まだ熱い頬と首すじ
余計にはじけた夢を見ました
はじけたことだけ覚えてる
色とにおいはこぼれても
はっきりと鼓動が踊ってる
もったいなくて、ね
夢を思いだそうとしたら
まるで金魚掬いなのです
ふ、と張られた薄い紙の手ごたえ
記憶に通る一本のほそいほそい糸
幻は指先をすりぬけて
あまり脈絡もなく跳ねたり
水しぶきが目に入ったり
屋台にしゃがみこんだまま
ただただ時間が経過してゆく
あふれる夜の水底には
じっとうずくまっている
大切な、ひと
水面を見つめすぎると
わたしの方が 夢へと
引き込まれてしまいそうでした。