夕焼けが足りない 2
AB(なかほど)

  



Better half なのかどうか


糸瓜料理は
ちょっと手間をかけると
ポチャポチャと
自らの汁にスポンジのように
漂いだす

美味いから食べてみろ
などと言ってみると
案の定
一口食べて
うなづき
箸を置くだけで

ポチャポチャと
ポチャポチャと
     漂いだす
自らの海に
     漂いだす


そんなところが好きで
味なんてのは
僕だって判らない

お箸じゃすべるし
スプーンですくって食べていいから
って誰かが
いつか


オレンジ色の記憶の中で
ポチャポチャと
形もくずれてしまっているのは
僕も同じで

そこにいる君が
better half なのかどうか

美味いから食べてみろ
などと
もう一度 言ってみる


美味いから


   


    


自由詩 夕焼けが足りない 2 Copyright AB(なかほど) 2003-12-25 12:47:09
notebook Home
この文書は以下の文書グループに登録されています。
夕焼けが足りない