ぼくのぬけがら
服部 剛
誰かさんに怒られると
すぐに浮かぶのは言い訳ばかり
のどの奥に ぐっ と飲み込む
( 夏の窓辺には蝉のぬけがらが置かれていた )
ぼくの
至
(
いた
)
らなさで
誰かさんの表情を曇らせてしまったから
ぼくに向けられた
嘆
(
なげ
)
きの言葉を
そのまま胸に受けとめると
誰かさんが今までに
困った顔したぼくの見えないところで
何度も助けてくれた姿が浮かんできた
ぼくを怒った誰かさんをありがたく思い
ふわりと歩き始めた背後には
うすい影となり いつまでも立っている
ぼくのぬけがら
自由詩
ぼくのぬけがら
Copyright
服部 剛
2005-08-26 21:50:26
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