窓ガラスに流れる幾筋もの雨と思い
藤倉けい

窓の外を眺めてぼんやりしてます。

朝起きると見慣れた部屋が
何だかいつもと違った風でまるで人の部屋にいるようです。
空がまだ青みがかってる明け方に目を覚ました私は
別段、用事があるわけでもないのに
そそくさと服に着替え、身支度を済ませています。

すっかり片付いた部屋。
よそ行きの服で所在なげに佇む私。
外はまだ薄暗く雨がしきりに降っています。
部屋のなかに響くたくさんの雨音
ラジオをつけるとちょうど好きだった懐かしい曲が流れてたりなんかして
青い窓ガラスをつたって流れる幾筋もの雨を見ながら
心震わせています。

次第に強まっていく雨につれ
まるで遠い船旅に出ているかのように
旅情を感じてる今日この頃です。


未詩・独白 窓ガラスに流れる幾筋もの雨と思い Copyright 藤倉けい 2005-08-26 11:21:39
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