季節
こしごえ

雨あがりの空ろな声は

流れる雲のきらめきか


雨に湿った
濃紫こむらさきの瞳がとなえる
つながりの腐蝕は
しっぽり燃える送り火で
季節を含む
風の滅びゆくさまを映す

ありのままの
まっしろな季節に
もっていかれなかった身体からだ
すこし、うつむいて
胸をなぞってゆく指先に
伝う震えが
かすかにか細く
けれど確かさをもって移行していく

(残された身体)
青の欠片に
「サヨナラ」とちいさくうなずく

風がいう
心は季節とともに生れかわる
心ごと伸びやかに伸ばし
ゆく季節を見届けること
それが残された身体に
どんなにけがれていようとも
心に宿る一片のきらめきが
この季節とともに移ろい続けても良い と

新たな風が吹き
季節に透ける
真紅の瞳がとらえる
つながりの発生は
季節を含む


あなたが

きれいだ












自由詩 季節 Copyright こしごえ 2005-08-25 15:34:58
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