planet
サカナ

いつもの席でいつものように
始めましょうかと手を鳴らす先生の
その指先を見てる
思考は明日のその先を見てる
今日の考え事なんてとっくに終わった
私は明日もその先も生きてる
君だって生きてる
私は知ってる
知らなくたって分かる

スカートの裾を持ち上げると
むず痒くて
飛んで行きたくなるのだよ
みんな天気がいいって笑っているけど
明日はきっと雨
それくらい
空を睨んでれば分かる
今日は天気がいい

天気がいい日、は
お弁当広げると
鳩が寄ってくんだよね
これは私の生きるぶんだから
それは君の生きるぶんだから
機嫌がいい日は
きらいなおかずくらいなら
あげてもいいよ

たたんだ弁当箱と
大好きな音楽
カゴに放り込んでまたがる
2人で1台のチャリンコ
手はつなげなくても
確実にあたたかい
鳩なんて
一斉に飛び立てばいいんだ
速すぎて見えないくらいに
君なら走れる
そうやって明日もその先も
生きてることを確かめに行く
スピード狂だねって笑ってやる
それでも絶対死んだりしない
君は絶対振り向かない
今動いている人間が
明日の朝にはただの人形になっている
脱落と脱落の間をぬって歩いている私たちは
2ケったらもう会いに行く人がいない!
出発しよう
その足が今世界を蹴った
はしゃいだ私が転げ落ちても
君は軽くなった加速度のまま
どこまでも、どこまでも行くんだ
私だって泣いたりしない
可愛くスカートを持ち上げて
小道をスキップでゆくでしょう
君の行き先なんて
知っていなくても分かるもの
川面がきらきらとしていて
夕日がゲラゲラと笑う
そんな世界で息してきた
問いも答えも無数にあった
明日だってその先だって
あっという間に通り過ぎてく
私は知ってる
知らなくたって分かる
世界に終わりがあるとすればそこに
きれいな雨を浴びにゆくんだ


自由詩 planet Copyright サカナ 2005-08-25 14:52:38
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