メタ・メタ・ポエム
佐々宝砂

<サンプルその1>
風に舞う落ち葉がカラッポの心に痛い
あなたが行ってしまったから
あたしはひとりきり
強くなれない自分が哀しい
あなたが残していった夢のカケラを抱いて
言えなかったサヨナラを繰り返すあたし

    あたくしはだけどしあわせですの うふふ

<サンプルその2>
青空と夕陽と拳でぬぐう涙
陽の落ちた校庭 子どもたちの騒ぐ声
どこからか漂ってくる煮物の匂い
愛と希望と友情と
この寒いのに水着を着た女の子と
今どき珍しいツギをあてた服

    以上 少年マガジンより引用(ジャンプかもね?)

<サンプルその3>    
まだ生きている 生きねばならない
生きているのだから 死んではいけない
生きられるうちは 生きねばならない
(以下 繰り返し)

    これは闘病記贋作

<サンプルその4>
憂鬱なる妄執を顕現するが如き月よ
汝(な)が醜き肌(はだへ)を地上に曝す勿れ
我が血は凝(こご)り我が魂は戦慄す
嗚呼 寂寞たる廣野を我は逍遙し咆哮し
物狂ほしく紺碧の天空を凝視せり

    書けない漢字もATOKで一発変換!

<サンプルその5>
お姉さまは哀しげに御覧になりました
わたくしはあなたが大好きなのよ と
溜息混じりに小さな声で仰有って
お姉さまは すう と煙草をお吸いになりました

    ありゃ、これは私が昨日書いた詩だ
    どうしてこんなもんが混じったんだ?
    おおい、編集者は誰だ
    私の詩はサンプルにしないでおくれよ

<天の声>
人を笑うものは自分も笑われます。
「メタ・メタ・ポエム」って題をつけた癖に、
今さら何を言ってるんですか、ほんとに、もう。

    は! は! は!
    この詩は最初から最後まで創作さ。
    <天の声>も創作さ。









(90年代の終わり頃の作品。私は今もIMEじゃなくATOK派です)


自由詩 メタ・メタ・ポエム Copyright 佐々宝砂 2003-12-25 00:09:27
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