銀の傘
銀猫


帰り道は
昼の天気予報どおりに
激しい雨


ふと視界に咲いた銀色の傘を求めた


縁取り、白
フレームは銀


それを広げて歩くのが
今日の雨にはふさわしく思えて



無彩色の小さな屋根で
雷鳴に宛て
微かな抵抗をしてみようと思う



何が届くわけでなくても
夜より厚くかかる雲の
暗い天に向かい


ここにいるぞと
表明してみたくなった



夏の終わりのレジスタンス


銀の傘ひとつ




自由詩 銀の傘 Copyright 銀猫 2005-08-23 19:01:17
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