ゲジ
蒼木りん

蠢くというよりは
疾走する
ゲジ

無害なのだな
でも嫌いだ
何がって
その足の多さ
狙われたら
逃げ切れない速さ
お前が走る速度ほどに
私の背筋が凍る

うら若き乙女の頃
実家のタイル張り五右衛門風呂で
お前に遭遇
壁からいきなり風呂の中に身を投げてきたときは
爆弾のごとく飛び出たぜ

ゲジ
犬に吠えられる
怪しいやつ
猫に食われ
足だけの残骸
何かの役に立つのか
何食って生きてんだ
お前は

ゲジ
お前を詩に書いたのは
私だけだろう



しりとりの詩投稿



未詩・独白 ゲジ Copyright 蒼木りん 2005-08-20 22:37:56
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