三月の時計
はな 


三月から
止まったままの針さきを
ゆっくりとまわして合わせた
雨の朝に目を覚ませば
あなたは 
まだ


白くあわたつ
菫のような朝
からだにおさまらない もじ
柔らかな葉がゆれる
つめたさを感じておよぐ手は
思えばあの日
正午の 
風景


夢のあとが
みちにてんてんとながれている
しましまの さかなが地面に広がっている
つきあたりの公園
むらさきがあふれかえってゆれている


ふいに
あなたの薫りとすれちがい
三月のなかを
走る
あの広場
おおきな時計を めざして



まぶたのうら うすくひかって
風は凪ぐ
家に着いたらあなたを起こそう
八月の
まんなかで







自由詩 三月の時計 Copyright はな  2005-08-19 22:44:49
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