三華遠  夜照
木立 悟




鏡の花
木々の旗
水の上の
棄てられた駅への
道をしめす



羽のにおい
羽の重さ
羽の苦しさ
言葉が流れ落ちる音
ひとつの者が
ひとつの者に手わたす
やるせなさ



風が強くなってゆく
雲が大きく濃くなってゆく
見知らぬ命の頬を
冷たい滴の列が過ぎる
高く低く
木々ははためき
地の星あかりを流し去る






自由詩 三華遠  夜照 Copyright 木立 悟 2005-08-18 14:06:10
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三華遠季節