飴玉
たもつ

子供が行きたがっていたはずの
遊園地に行った
子供が恐がるであろう乗り物
恐がらないであろう乗り物
そのひとつひとつに順序良く
そしてなるべく丁寧に
乗っていく
スタンプカードがたまったので
景品交換所で綺麗な色の
飴玉に換えてもらう
子供と共有できる記憶などあるはず無いのに
どんなに高いところまで上っても
観覧車からは懐かしい形のものしか見えない
何歳になったのか
なんて自分の子の歳を忘れる親などいるものか
なめていた飴玉で口の中を切った
かすかに地下鉄の味がする
そのまま地下鉄に乗って
観覧車の見えないところまで
行くつもりだった




自由詩 飴玉 Copyright たもつ 2005-08-18 08:46:51
notebook Home 戻る