うざい
tonpekep
くらげが浮いている
通天閣の上にくらげが浮いている
ぼくらの時代はうざいんだって
透明な短冊が
あちこちで今年も風に揺れている
お経のように整然と
願い事が綴られているけど
院ばかり耳障りで
誰も読みやしない
うざいんだって
一夏の電力が切れた蝉は
最期のミーンを鳴き終えると
あっさりと地面に落下してゆく
亡骸の中には
思いつめるような哲学はない
時間の空白があるばかりだ
うざいんだって
くらげの足が
ぼくの髪の毛を引っ張っている
運ばれて行く身にもなってよ
うざいんだって
太陽の光はどこに着地しようかと
今でも悩み続けている
羽のささくればかり気になって
言い訳程度に放射して
ぼくらの生き方にケチをつけている
うざいんだって
くらげが浮いている
通天閣の上
うざいし
どうでも良いけど